会長挨拶


日喉連新会長 渡 邊  操


令和5年度会長就任に際して、皆さまにご挨拶申し上げます。

 

 日頃よりNPO法人日本喉摘者団体連合会の活動に、ご支援とご協力をいただきまして心より御礼申し上げます。

 このたびの令和5年度の定期総会において、前会長松山雅則氏よりバトンを受け、NPO法人日本喉摘者団体連合会の会長を務めることとなりました。日喉連は昭和45年に初代会長を重原勇治氏に仰いでこのかた松山雅則前会長まで約50年7代にわたって受け継がれてきました。その間、日喉連は順調に発展し全国に展開する大きな組織になってきました。先輩方の築かれたこの歴史の重みをひしひしと感じながら、決して消してはいけない灯なのだと言い聞かせております。

 

 つまり日喉連は、喉頭摘出者の発声についての研究・指導・訓練士資格、喉頭摘出者の啓発・親睦などの活動とともに障害者等級、障害者年金、日常生活用具の公費負担、訓練士養成助成金獲得など公的支援に向けての活動を展開するなど、重要な役割を果たしてきました。今後もこの制度などはしっかりと繋いでいかなければなりません。

 私事で恐縮ですが、日喉連の専務理事を2年余り勤めさせていただきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響拡大などで各地の団体はもとより日喉連の活動も制限されるなど、専務理事としての仕事はほとんどしてこなかったといってもよいでしょう。したがってこの度は、責任の重さは全く違うこの大役にどれだけ取り組めるのか甚だ自信はありません。というのも日喉連の会長は、地理的条件と事務処理の都合から銀鈴会の会長がお引き受けするのに好都合であるということで歴代の会長が務めてまいりました。もとより浅学菲才ではありますが、先達の方々の思いを胸に会長職を受けた以上、今後も微力ではありますが全力を挙げて職務に邁進する所存であります。そして松山前会長に賜った以上に皆さま方のご指導、ご支援ご鞭撻のほど心よりお願い申し上げます。

 現在、新型コロナは5類に移行したとはいえこの3年間社会活動が制限され、日常生活や様々な行事の予定が全く立たず、喉適者団体の活動にも影響が避けられない状況に直面しております。

 日喉連を支えてくれている各団体の大きな悩みである会員の高齢化と会員の減少傾向は、コロナ禍の影響でさらなる拍車をかけてきました。コロナの影響による教室使用制限なども大きな痛手となっています。特に、病院の1室をお借りして発声教室を開催してきた多くの団体にとっては、喉頭摘出者の会の存続の問題にも発展しかねない大きな問題となってきています。この教室開催問題は喫緊の課題として全力で取り組みたいと考えています。何とか各自治体へのお願いを通して公共施設の使用を廉価で借りられないかを模索したいとも考えています。

 また、前会長から受け継いだ賛助会員制度の拡充はもちろんのことですが、各団体の窮状を行政や国に説明して様々な支援を受けることにも注力していきたいと考えています。そのために全国組織である日喉連の「使命」があると考えています。皆さまのお知恵をいただきながら何としても喉頭摘出者の集まりである各地の喉摘者団体を、発声教室を、会員の皆さまを守っていきたい、そう決意しております。

 そのうえで団体各位の相互が連携を図り、その他厚生労働省など関係機関との連絡、調整を行うと共に、会員各位の皆様のサービス向上のための調査・研究及び研修等を行い、 喉頭摘出者団体事業の健全な運営と質の向上を通じて、福祉の増進に寄与することを目的に取り組んでまいります。社会を取り巻く環境は、益々厳しくなっておりますが、私自身、微力ではございますが役員、事務局と一丸となって会員の皆さまへのご要望にお応えするべく尽力致します。

 今後とも日喉連の各団体の皆さま方のご理解とお力添えをお願い致しまして、会長就任の挨拶とさせていただきます。