会長挨拶


コロナ禍を乗り越え、新たな役割を  

    

特定非営利活動法人日本喉摘者団体連合会
          会長 松 山 雅 則


今年は新型コロナウイルスの感染拡大により世界は大変なことになっています。

日喉連の多くの団体においても発声教室、理事会、総会などの活動休止、延期を余儀なくされました。日喉連は今年5月に創立50周年の祝賀会、理事会、総会を予定していましたが、緊急事態宣言の発令でいずれも中止となり、文書での決議となりました。また9月、10月予定の指導者養成研修会もいくつかのブロックで中止が決定し、11月の全国喉摘者発声大会の実施の可否についても検討中です。創立50周年の祝賀会は一旦中止としていますが、ご尽力くださった先輩の皆さまに謝意を表す機会をいつか作れたら、と考えています。

 

現在、発声教室は緊急事態宣言の解除と共に再開した団体、再開できない団体と一様ではありませんが、コロナ対応は長期戦を覚悟しなければならない状態となってきました。日喉連としては自治体の指示に従って、地域事情による各団体の自主判断としていますが、再開する場合には3密を避ける十分な対策をお願いしています。この機会にテレワークやネットでの在宅指導など新しい指導システム構築に挑戦し、教室に通えない喉摘者にも「元気」を届けられるきっかけにできれば、と期待しています。
日喉連は設立後50年が経ちました。先人たちは不自由でも自分の力で自分の肉声で会話できれば障害者の気おくれを解消し、社会復帰が可能と考え、器具に頼らない食道発声を訓練の柱としてきましたが、最近は職場復帰を急ぐ人にはシャント発声、高齢者に負担の少ないEL発声など発声方法も多様化しています。スマホなどのSNSの利用で、敢えて声を出さなくてもコミュニケーションは取れる環境になって来ていますが、教室は会員さんにとって発声訓練の場ということだけでなく、喉摘者の生きがいや楽しみを生み出す大切な場所となっています。日喉連は喉摘者である我々が社会や家族に甘えることなく、前向きな人生を共に生きる喉摘者団体であることをめざしています。


最後に日喉連から2件のお知らせを連絡させていただきます。
まず1件目は日喉連歴史の中のお一人で、40年以上に亘って喉摘者を支えてくださった日喉連顧問の廣瀬肇先生がご高齢によりこの度、退任することとなりました。廣瀬先生には長い間のご指導、ご支援に対し心から感謝申し上げます。後任には東京医科大学客員教授、東都文京病院健診センター長の吉原俊雄先生が快くお引き受けくださいましたので、今後、日喉連は藤井先生と吉原先生のお二人にご指導をお願いすることになります
2件目は日喉連では財政確保の新たな取り組みとして、日喉連のホームページに通販サイトを開設し、広告収入を得る試みを始めました。通販サイトの広告を通して皆さまが商品を購入してくださいますと、日喉連に多少の広告料が入り、日喉連の運営に寄与します。 ぜひ通販サイトの積極的利用をお願いいたします。また日喉連では新たな障害者日常生活用具助成対象品として新鋭工業の痰吸引器の販売を始めていますので、ご希望の方は日喉連事務局へご連絡をお願いいたします。
今年度も、会員の皆さん、賛助会員の皆さん、ご指導の先生方、関係者の皆さんのご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
                                                                                          以 上